街中でいちゃいちゃしているカップルが好きだ。どんどんやってほしい。見つめあい指をからめ腕を組んで歩いてほしい。終電間際のターミナル駅の改札でぐずぐずしてほしい。路上でのキスもばんばんやったらいい。晴れた日の公園の芝生の上でべったりくっついているのも結構なことである。服を着ていないと法に触れるが、あとは何をやってくれても問題ない。私はそう思う。問題ないどころか、目撃するとにこにこしてしばらくながめる。見ていて気分がいいのである。
造作が整った若い恋人たちだから美しいと思うのではない。容姿が美しいとされない、あるいは若くない、もしくはその両方の要件を満たす恋人たちも、美しいと思う。いいぞもっとやれと思う。これを不快とする人々の気持ちがまったくわからない。禁止したいなら一律で禁止すればよい。禁止されていないのだから、自己判断でやっていいのである。やりたい人は全員やったらいい。私はそう信じてやまない。「見苦しい者は自粛しろ」などと言う人の発言はまったく信じがたい。顔の細工で愛の行動を変えなきゃいけないというのはどういう了見か。たかが外見で適用される「マナー」が変わるというのはどういう理屈なのか。そしてあなたがそれを判定できる立場だと思い込んでいるのは、ぜんたいどういう了見なのか。
強いて不満を言うなら、いちゃいちゃする人たちがもっと高齢であったり、車椅子に乗っていたり、介助の人がついていたり、二人ではなく三人であったりしてほしい。まだ一定年齢の男女が圧倒的多数である(同性カップルをまれに見るようになり、世界の進歩を感じる)。もっといろんな人にいちゃいちゃしてほしい。駅の隅で帰りたくなくてじっとしている恋人たちがいると、私はいつもそう思う。

